結婚相談所はなぜ倒産するのか?業界構造から見る5つの原因

「結婚相談所 倒産 一覧」と検索する人は少なくありません。実際に閉鎖した相談所の名前を確認しておきたいからです。ただ、社名が並んだリストを眺めるだけでは本当の不安は消えません。なぜなら、知りたいことの本質は別のところにあるからです。

これから入会しようとしている相談所は大丈夫なのか。今通っている相談所はこの先も続いてくれるのか。多くの人が抱えているのはこうした疑問です。そして、この疑問に答えるには倒産した会社の名前ではなく倒産が起きる仕組みを知る必要があります。

結婚相談所の倒産には業界特有の構造的な理由があります。経営者の力量不足だけが原因ではありません。むしろ、業界そのものが抱える収益構造の弱さが背景にあります。この記事ではその原因を5つに整理して解説します。読み終えるころには、相談所を見るときのチェックポイントが自然と身についているはずです。

前提として結婚相談所の収益構造を知っておく

原因の話に入る前に、結婚相談所がどうやって稼いでいるかを押さえておきます。ここを理解しておくと、倒産の理由がすんなり頭に入ります。

結婚相談所の売上は大きく3つに分かれます。入会時に受け取る入会金。毎月受け取る月会費。そして成婚が決まったときに受け取る成婚料です。このうち経営を安定させる柱になるのは月会費です。毎月決まった額が自動的に入ってくるからです。

ところが月会費には決定的な弱点があります。会員が退会すれば止まってしまうという点です。しかも婚活は成功しても終わります。失敗しても終わります。相手が見つかれば卒業し、見つからなければ諦めて去っていきます。つまり結婚相談所は、会員が必ず抜けていくことを前提にしたビジネスなのです。

だからこそ、新しい会員を絶えず入れ続けなければ売上は維持できません。この「走り続けなければ倒れる」という性質が、これから説明する5つの原因すべてに関わってきます。

原因1 会員獲得コストの上昇が利益を削っている

ひとつ目は集客にかかるお金の問題です。

かつて結婚相談所の集客は口コミや紹介が中心でした。地域に根ざした仲人が地元のつながりで会員を集めるスタイルです。この方法なら広告費はほとんどかかりません。ところが今は事情が変わりました。婚活を始める人の多くがまずスマートフォンで検索するからです。

そのため各社はWeb広告に力を入れるようになりました。検索連動型広告やSNS広告が主戦場です。しかし、参入する事業者が増えれば広告の単価は上がります。同じキーワードに多くの相談所が入札するからです。こうして一人の会員を獲得するためのコストは年々重くなっていきました。

ここで問題になるのが料金体系です。入会金と月会費で成り立つモデルは、会員が長く在籍することを前提に組まれています。ところが広告費は入会の瞬間に先払いで発生します。会員が早く辞めてしまえば、かけた広告費を回収できないまま赤字が残ります。集客すればするほど資金が出ていくという状態に陥る相談所も出てきます。

原因2 マッチングアプリとの価格差が広がった

ふたつ目は競合環境の変化です。

マッチングアプリは月額数千円程度から使い始められます。登録も数分で終わります。対して結婚相談所は、入会金と月会費と成婚料を合わせると数十万円規模になることが珍しくありません。入会時には独身証明書や収入証明書の提出も必要です。

この差は、婚活を始めたばかりの人にとって大きな壁になります。まずは手軽なアプリから試してみようと考えるのは自然な流れです。実際に多くの人がアプリから婚活を始めるようになりました。その結果、相談所に届く問い合わせの母数そのものが減っていきました。

この流れに対抗するため、低価格プランを打ち出す相談所も増えました。オンライン完結型にして人件費を抑えるやり方です。ただ、単価を下げれば当然ながら利益率も下がります。同じ売上を維持するには、これまで以上の会員数を集めなければなりません。そして会員数を集めるにはさらに広告費が必要になります。値下げが資金繰りをかえって苦しくするという悪循環です。

原因3 仲人型はスケールしにくい人件費構造を抱えている

みっつ目はサービス提供のしくみに関する問題です。

仲人型の相談所は、専任のカウンセラーが会員一人ひとりに寄り添うスタイルを強みにしています。お見合いの日程調整から交際中の相談まで、人の手で丁寧に対応します。この手厚さこそがアプリにはない価値です。

ただ、このスタイルには構造上の限界があります。カウンセラー一人が担当できる会員数には上限があるからです。会員が2倍になればカウンセラーもおおむね2倍必要になります。システムで自動化しにくい領域なので、効率化にも限度があります。

つまり仲人型は、売上が伸びても利益率がなかなか上がらないビジネスです。しかも人件費は固定費です。会員が減っても翌月すぐに削れるものではありません。景気や市場環境が悪化して会員数が落ち込んだとき、この固定費が一気に重くのしかかります。サービスの質を守ろうとするほど経営は苦しくなるという、なんとも皮肉な構造がここにあります。

原因4 加盟店モデルと多店舗展開が資金繰りを不安定にする

よっつ目は事業拡大のやり方に潜むリスクです。

結婚相談所の業界では、連盟に加盟して会員データベースを共有する形が広く使われています。この仕組みのおかげで、小規模な相談所でも多くの会員を紹介できます。開業のハードルが低いのはこの仕組みがあるからです。

ただ、開業しやすいということは競合が増えやすいということでもあります。同じデータベースを使う相談所同士では、紹介できる相手に大きな差が出ません。そうなると違いを出せるのはサポートの質と料金だけです。ここでも価格競争が起きやすくなります。

さらに、加盟店を増やして急拡大する事業者にも固有のリスクがあります。加盟時に受け取る一時金は本部にとって魅力的な収入です。ところがこの収入は継続しません。加盟店の募集が止まれば、収入も止まります。しかも加盟店が次々に閉鎖すればブランドの信用そのものが傷つきます。勢いよく店舗数を増やしている相談所が必ずしも安全とは限らないのは、こうした事情があるからです。

原因5 婚活市場そのものが縮小している

いつつ目は業界全体を覆う根本的な要因です。

ここまでの4つはいずれも相談所側の事情でした。しかし、そもそも市場そのものが縮んでいるという現実も見逃せません。婚姻件数は長期的に減少傾向が続いています。結婚を考える人の絶対数が減っているのです。

その限られたパイを、大手相談所と中小相談所とマッチングアプリと婚活パーティー運営会社が奪い合っています。プレイヤーの数は増え、市場は縮む。この組み合わせが続けば、経営体力の弱い事業者から順に姿を消していくのは避けられません。

そして市場の縮小は、これまで挙げた4つの原因をすべて増幅させます。会員が減れば広告費はさらに上がります。価格競争はさらに激しくなります。固定費の重さはさらに際立ちます。倒産のニュースが続くのは、こうした要因が重なっているためです。

倒産しやすい相談所に共通する兆候

ここまでの5つの原因を踏まえると、危うい相談所に共通する特徴が浮かび上がります。

ひとつは、極端な安さを前面に出しているケースです。価格の安さそのものが悪いわけではありません。ただ、相場からかけ離れた低価格には理由があります。サポート体制を削っているか、あるいは会員数を急いで集める必要に迫られているかのどちらかです。

もうひとつは、短期間で店舗数を急拡大しているケースです。拡大のスピードと経営の安定性は必ずしも一致しません。むしろ急な拡大は資金繰りを圧迫します。

最後は、成婚実績の見せ方が不自然なケースです。成婚率の計算方法は各社でばらばらです。分母をどう取るかで数字は大きく変わります。数字の根拠を明示していない相談所には注意が必要です。

原因を知ったうえでどう相談所を選ぶか

倒産リスクを完全にゼロにする方法はありません。それでも、確認しておくべきポイントはあります。

まず運営年数です。長く続いている相談所は、市場の変化を何度もくぐり抜けてきた実績があります。次に料金体系の妥当性です。サービス内容と価格が釣り合っているかを見てください。そして契約前の説明の丁寧さです。中途解約の条件や返金の扱いをきちんと説明してくれるかどうかは、そのまま経営姿勢の表れになります。

実際にどの相談所が倒産や廃業をしたのかについては、別の記事で一覧にまとめています。具体的な社名と経緯を知りたい方はあわせて確認してみてください。

そのうえで大切なのは、一社だけを見て決めないことです。複数の相談所の資料を並べて比べれば、料金の妥当性もサポートの厚みも自然と見えてきます。説明が丁寧な相談所とそうでない相談所の違いも、資料の作り方に表れます。

CHOICE婚活なら、気になる相談所へまとめて資料請求ができます。一社ずつ問い合わせる手間をかけずに、経営の安定した相談所を効率よく比較検討できます。

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